私たちが生活や活動をしている尾張地方は、濃尾平野の中枢に位置し群雄割拠の地として名を留めております。数十年前までの美しい農村風景は、時代の趨勢と共に工業都市として変貌を遂げました。そして愛知万博の開催された年に、新しいまちづくりに取り組み、後世にその文化を正しく伝える基盤を作る時期に至っているとも考えました。
そのため、この地方に今も残る貴重な財産である伝統・文化などに光を当て、自然との共生を図りながら環境を整え、後世に残すにふさわしいまちづくりを目指す必要があり、幾つかの史跡や文化財などの状況を把握し、より多くの一般市民に理解と認識を深めて頂く事業を推進、啓蒙して進めて参りたいと考えております。
新しい文化の創造も時代の流れとともにその本質が問われ、生活や社会の変化、経済事情などにより新陳代謝が行われますが、そこで、新旧住民の融合や共働により、相互理解のもと、新しい施策を考えていかなければなりません。
また、画一的な報道による文化や伝統的歴史観ばかりでなく、温故知新、歴史や伝統文化の学習、紹介、時に応じて、その保存する運動や提言をする必要も生まれてきます。
本振興会では、市民が、共通の知識や認識に立ち、それを保全し、普及啓蒙し、共に理解しあい、共存・共有できるような事業や提言の場を持つことが文化振興の急務であると考え、より広く多くの市民の皆さんに共鳴・参加をして頂きますよう呼びかけをしておりますので、是非、より多くのご参加とご協力を賜りますようお願いします。